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平野啓一郎「決壊」上・下
「悪魔」を名乗る犯行声明と共にバラバラ死体が発見された事件で、エリート公務員である被害者の兄が容疑者とされるが、果たしてその真実は・・・そしてその事件をきっかけに全国各地で多発する無差別殺人・・・
というお話で、いかにも兄が犯人であるかのような伏線があるので、何故仲の良い弟を殺したのか、その他家族がどう関わって来るのかなど思いを巡らせながら読み進めると、いや、やっぱりそう思わせといて実は犯人じゃなさそうだな、とも思えて来て、うーん真相はどうなるんだー、と期待してたら・・・・あれ、って感じでした。
最近頻発している「誰でもいいから殺したかった」という無差別殺人事件やインターネット、引きこもりなど現代社会の歪んだ闇の部分を描いていて、それなりに興味深い内容なので、それはそれで良いんですが、何か読んで損した気分にさせられました。
上下巻の長編なので読むのに結構時間を費やしたのに、結局今となっては現実に起こってる事件の方がよっぽど衝撃的だし、伏線的に描かれている部分に何の意味も(と僕はおもったんですが)面白みも無いので、これならもっと他の本読んでれば良かったと本気で思ってしまいました。
と、今回は読んでがっかり本を紹介しましたが、これはあくまで僕個人の好みではなかったという事です。
色々考えながら読める人なら作者が意図している何かを読み取る事が出来るのかも知れません・・・
2006年に出版された本ですが、最近読んでとても面白かったのが、百田尚樹の「永遠の0」。
太平洋戦争で特攻隊として戦死した祖父について調べ始めた健太郎は、凄腕のパイロットでありながら、死を恐れ、生に執着する為に、他の軍人たちから蔑まれる存在であった。
しかし、祖父を知る戦友たちに話を聞くうちに、祖父の真の姿、そして妻と子供の為に必ず生きて帰る事を願った祖父がなぜ自ら特攻を志願したのかが明らかになって行く。
と、あらすじを読んだ時にはありがちな話っぽいし、戦記ものには興味がないので読む気がしなかったんですが、アマゾンとかで結構評価が高かったので試しに読んでみました。
そしたら本当に面白かったです。
読み通り話の筋としては特筆するものでもなく、ラストの驚愕の事実ってのも「あっそ」って感じで最初っから何となくわかってしまうのですが、何と言っても戦友たちの証言形式で語られる戦争の話は、まるで良質のドキュメンタリー映画を見ているかのように話に惹きこまれて行くとても興味深いものでした。
ゼロ戦に関しても詳細に描かれていて、戦闘シーンなどの描写も臨場感溢れるもので、ドキドキしながら読み進めてしまいました。
伝説的ゼロ戦乗りなどが実名で登場したりと、史実に基づいて書かれているので、戦争についての勉強になった事が大きな収穫でした。
残念なのは主人公である健太郎とフリーライターである姉、慶子の場面になるととたんにシラケてしまう所です。
特に慶子は出てこなくても良かったんではないかと。
表現力が乏しく文章が下手なので、何が面白いのか上手く伝わってないと思いますが、今日テレビでやってた特攻隊のドラマとは比べようも無いくらい面白い本です。